教員からの転職は難しいって聞くけど、本当?
教員は「つぶしがきかない」とよく言われます。
教員から転職することは、本当に難しいのでしょうか?
結論は以下の通り。
不利だけど転職できる
確かに世間の言うことは正しく、教員の転職は難しく、不利です。
ですが、絶対に転職できないわけではありません。
本記事では、なぜ不利だと言われるのか、その中で転職成功させるにはどうしたらいいのかをお伝えしていきます。
記事を読んで分かること
- 教員からの転職が不利な理由5つ
- 年代別転職の難しさ
- 転職を成功させるためにやるべきこと
- 教員からのよくある転職先
実際に教員からエンジニアに転職した私の体験談もお伝えします。
教員からの転職は難しいと言われる5つの理由
教員からの転職が難しいと言われる理由は以下の5つです。
- ビジネス経験が乏しい
- ITリテラシーの低さ
- 収入が下がる場合が多い
- 転職できる時期が限られている
- 偉そうな印象をもたれやすい
詳しく見ていきましょう。
ビジネス経験が乏しい
学校現場では、売上や利益などの具体的な「数字」を追求することがありません。
そのため、ビジネスで求められる成果を追求する考え方が身についていないと判断されてしまうことが多いです。
また、実際に転職した方に聞いてみると、このような声が。
時間あたりの作業量を、意識する人たちがとても多いと思った。
教育現場では、残業が当たり前のため「工数」のようにコストを意識する習慣がありません。
時間に対する感覚も教員とビジネスマンでは大きく異なるということも「教員からの転職が難しい」と言われる理由の一つです。
もちろん、全ての教員が時間を意識していないわけではないですけどね。
ITリテラシーの低さ
教員の世界では、IT化が進むのが非常に遅いです。
ほとんどの学校は未だに紙の文化なので、企業で使用するようなOffice関連の機能の知識はほとんどありません。
Excelの機能やPowerPointを使う機会もほぼないです。
Excelを用いた数値分析、パワポの資料作成、クラウド上での書類管理など、基礎的なスキルがほとんどないと思われてしまうのです。
実際、私が勤務していた小学校では「ショートカットキー」すらまともに使えていない方が多かったです...
収入が下がる場合が多い
総務省『令和3年地方公務員給与の実態』によると、教職員の月額平均給与(平均給料+諸手当)は約40万円です。
民間企業に転職した場合、給与が下がるのは確実です。
年収のことを考えた際、「給与が下がるのはちょっと...」というマインドブロックがかかり、転職に至らない方が多いのです。
転職できる時期が限られている
担任をもっている教員が多いため、「転職をしよう」と思っても、転職できるのが3月末と限られてしまいます。
つまり、挑戦の時間が限られているということ。
さらには、業務の忙しさから、転職活動をしている余裕がなく、結局転職活動まで至らないということも多いです。
偉そうな印象をもたれやすい
「偏見じゃないか!」と言った声も聞こえてきそうですが、このように思っている民間企業の方がいるのも事実です。
教員の方々は一日の大半を「教室」という閉鎖された空間で過ごします。
子どもと接する時間が多いため、気づかないうちに偉そうな態度をとってしまうことがあります。
企業側としては、そのような態度が顧客の前で出てしまわないかという点も懸念材料になる可能性があるのです。
年代別転職の難しさ
多くのサイトで、既に言われていることですが、年代により転職の難しさが格段に変わります。
図を見て頂ければ分かるように、転職時期が遅ければ遅いほど、難しさが上がっていきます。
正直、「教員からの」転職の限界は30代まででしょう。
可能ならば20代のうちにするのがベストです。
教員のアピールできるポイント
じゃあ逆に、どこでアピールしたらいいの?
こんな風に思われるかもしれませんが、大丈夫です。
しっかりアピールできるポイントもあります
教員のアピールできる能力- 保護者や同僚、生徒との間で培われたコミュニケーション力
- 授業や説明会で身についた説明力
- 年間のスケジュールや生徒評価などで磨かれたマネジメントスキル
- 集団をマネジメントする能力
- 傾聴力
- 広範囲の業務をこなしてきた力
教員の業務は、民間企業と比較すると非常に幅広いです。
つまり、その分経験してきたことも多いということ。
これらの経験を適切にアピールしていけば、希望の職に就くことは十分可能です。
自分はどの点を強くアピールできそうか、考えてみてください。
転職成功者たちのTweet
「教員からの転職は難しい」ということで不安を感じている方もいるかもしれません。でも安心してください。Twitterを見ると実際に転職を成功させている方が多くいます。
いくつか引用したものを載せておきます。
私事ですが転職決まりました。
— syuichiro (@syuichiro0825) April 15, 2021
5月入社なのでそれまで学生以来のバイトで日銭稼ぎます。グッバイ教員
とある起業様から内定いただきました!!
— ピヒ@教員の転職チャレンジ (@pihi_no_study) February 8, 2022
近況報告
— 元 新採1年目教員 (@8n8v_b) October 13, 2020
最近、仕事もプライベートも毎日めちゃくちゃ楽しいです。今の職場では、褒められることが多くて自己肯定感が上がります。任されることも増えました。
自分には何もできないと思っていた教員時代と大違い。
転職して良かった、から、この職場に来て良かったと思うことが多くなりました。
【体験談】実際にいくつかの面接を受けてみて感じた印象
私は、最終的に3社の面接を受けました。
企業による差はあるものの、面接中、先ほど紹介した5つの点は人事部の方も危惧されているなと感じました。
転職時期については理解してくれている方が多いので問題ありません。
ですが、ビジネススキルと業務知識の欠如はどの人事の方も気にされている印象でした。
営業、エンジニアの面接を受けたのですが、以下2つの内容はどの会社からも質問を受けました。
- Excelはどのくらい使えるか
- 今どんな勉強をしているのか
この質問の内容からも分かるように、最低限のスキルはどれくらいあるか、自分で学ぶ力はどれくらいあるかを見極めていると言えます。
教員からの転職を成功させるために今からできること
とは言っても、何から手を付けたらいいか分からない方も多いと思います。
「転職をしよう!」と決めた今からできることを3つご紹介します。
- 転職エージェントに登録
- 自己分析
- 必要なスキルを身につけておく
それぞれ詳しく解説します。
転職エージェントに登録
教員は転職時期が限られています。加えて毎日が尋常じゃないくらい忙しい。
一人で転職活動を始めようすると、必ずパンクします。
そこで転職エージェントを十分に活用しましょう!
転職エージェントとは、転職を検討している方と採用を考えている企業の間に立って、転職成功を支援するサービス。求人動向や転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが、求職者の転職活動をサポートします。(RECRUIT AGENTから)
利用できる転職エージェントは星のようにあります。
- マイナビエージェント
- ランスタッド
- doda
- リクルートエージェント
- パソナキャリア
- ワークポート
- エンワールド
- etc...
全部の中から選ぶのは労力の無駄です。
教員からの転職におすすめのエージェントは以下の3つ。
おすすめの転職エージェント3選
- リクルートエージェント(求人数No.1)
- doda(エージェントと転職サイトがそろっている)
- マイナビエージェント(第二新卒に強い)
全て無料で利用することができます。(転職活動中にお金を請求されることもありません)
エージェントは以下の3ステップで選びましょう。
step
1とりあえず3社ほど無料登録してみる
step
2面談を受けてみる
step
3感じの良さそうなサービスを利用する
これだけです。
基本的にどのサービスも質が高いですが、人によって合う合わないがあります。
半年以上も付き合っていくのですから、感じの良い方を選ぶのがよいでしょう。
私は、リクルートを利用して、転職を成功させることができました。
自己分析をする
転職エージェントサービスは素晴らしいサポートをしてくれます。
ですが、すべて受け身では内定をもらうのは厳しいのが現実です。
できることは自分自身で進めていく必要があります。
- 転職理由を再確認する
- 自分の強みを理解する
少なくともこの2つはやっておきましょう。
「転職して何がしたいのか」「転職によって得たいもの」をはっきりさせておき、前向きな理由で転職することをアピールすることが大切です。
自己分析で参考になった書籍必要なスキルを身につけておく
先ほど、不利な点で「転職時期が限られている」と言いました。
逆に転職時期が限られているということは、転職時に必要なスキルを身につけられる時間ができる、とも考えられますよね?
その時間を利用して、必要なスキルを身につけておくことをおすすめします。
簡単なのが資格の取得です。
ある程度方向性が決まっているならば、1つや2つほど資格を取っておくと有利になってきます。
簡単に資格の例を挙げておきますね!
どの業種でも基本的にOK
- TOEIC(700点あれば強い)
事務系の仕事
- 日商簿記(3級でも十分)
- 秘書検定
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
IT系の仕事
- ITパスポート(国家資格)
- 基本情報技術者(国家資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験(国家資格)
- QC検定(2級あれば強い)
飲食系
- 調理師(国家資格)
- 製菓衛生士(国家資格)
- フードコーディネーター
私はTOEICを取得していたことが有利に働きました。勉強方法の記事も書いているので、良かったら参考にしてみてください。
【300点から700点達成】TOEICで700点を達成するための勉強法と勉強時間
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よくある転職先
最後に、教員からのよくある転職先をご紹介します。
教育関係
教育関係
- 学習塾・予備校の教師
- 家庭教師
- 教材編集関係
- 学童保育スタッフ
- 非常勤講師
- 児童指導員・児童福祉司・相談員
「教育に携わりたい」ということで教育関係の仕事に転職する方も多いです。
教員のもつコミュニケーション力や、教材を分析する力などが発揮できます。
今までの経験もそのまま役立つケースが多く、比較的転職しやすいと言えるでしょう。
その他の職種
教育関係
- 営業職
- 接客や販売関連
- レジャー業界
- エンジニア
教員はコミュニケーション力・説明力が高いです。
上記の職種はどれもコミュニケーション力が必須です。
教員からでも転職はできる
本記事で紹介してきたことをまとめます。
まとめ
教員からの転職は不利だが、可能である
教員からの転職が不利な理由
- ビジネス経験が乏しい
- ITリテラシーの低さ
- 収入が下がる場合が多い
- 転職できる時期が限られている
- 偉そうな印象をもたれやすい
転職を成功させるために今からできること
- 転職エージェントに登録
- 自己分析
- 必要なスキルを身につけておく
コロナなどで、転職が厳しいと言われている状況ではありますが、求人はまだまだあります。
教員からでも転職はできます。周りの声に惑わされず、最後まで頑張ってください。
本記事が転職活動を頑張る教員の方の助けになればと願っています。